【第51回】同じ説明を2回書いたら、指示書をAIに作らせる合図

stop AI活用

AIに同じ説明を何度もしていませんか。

私はしていました。毎回こうです。

「この記事を英語にしてほしい。ルールはね、広告は入れないで、画像は中央寄せで、日本の釣り用語は英語圏の言い方にして、最後は関連記事へのリンクで締めて。あ、元の記事はこれね。あと、こういう情報も足したくて……」

毎回です。1本ごとに、この説明を書いていました。

ある日、気づきました。この説明そのものを、AIに作らせればいいのでは。

「2回目の説明」は合図です

先に結論を書きます。

同じ説明を2回書いたら、それは「テンプレ化できる」という合図です。

3回目を書く前に、こう頼んでみてください。

私がいつもあなたに頼んでいることを、指示書の形にまとめてください。次からはその指示書を渡すだけで済むようにしたいです。

これだけです。

私の場合、返ってきたのはこういう形のものでした。

  1. 元になる資料(記事の本文)
  2. 守ってほしいルール(広告を入れない、など)
  3. 今回だけの事情(この記事にはこの体験を足したい、など)
  4. 何を出してほしいか(タイトル案3つ・URL案・本文)

毎回私が口で説明していたことが、そのまま項目になっていました。

効いたのは4番目でした

この4つのうち、いちばん効果があったのは「何を出してほしいか」です。

それまで私は、書いてほしいものだけを頼んでいました。すると当然、本文だけが返ってきます。そのあと「タイトルも3つ出して」「URLはどうする?」と、追加でやりとりが発生していました。

指示書に「出してほしいもの」を先に書いておくと、1回で全部返ってきます。

やりとりの回数が減るということは、私が待つ時間も、AIの使用量も減るということです。使用量の話は第25回に書きましたが、いちばん効く節約は「二度手間をさせないこと」でした。

実際どうなったか

指示書の形にしてから、1本にかかる時間を測ってみました。

1本目150秒
2本目約150秒
3本目120秒

1本あたり2分半。

以前は、説明を書くだけで5分かかっていました。元の記事を開いてコピーして、ルールを思い出しながら書いて、送って、追加で聞かれて、答えて。

その全部が、指示書を渡すだけになりました。

コードが書けなくても、これはできます

私の場合はプログラムで指示書を自動生成するところまでやりましたが、そこまでしなくても効果はあります。

メモ帳に指示書のひな形を1枚だけ作って、毎回そこに今日の分を書き足して貼る。それだけで、説明の書き直しがなくなります。

たとえば、こういう場面で使えます。

  • 毎週の報告書……フォーマットと注意点を指示書にして、今週の数字だけ差し替える
  • 議事録の清書……「誰の発言か明記する」「決まったことを最後にまとめる」などを固定
  • 商品説明文……守るべき表現ルールと、出してほしい形(タイトル・本文・キャッチコピー)を固定
  • 子どもへの説明……「小学生に分かる言葉で」「たとえ話を1つ入れて」を固定

やることは同じです。毎回言っていることを、書いて、置いておく。

ひな形の作り方(そのまま使えます)

ゼロから考える必要はありません。AIに作らせてください。

これまでのやりとりを振り返って、私があなたに毎回説明していることを洗い出してください。それを指示書のひな形にして、私が毎回書き換える部分だけを空欄にしてください。

ポイントは「空欄にして」です。

全部埋まった状態で渡されると、どこを直せばいいのか分からなくなります。「今回だけ変わる部分」が空欄になっていると、そこだけ書けば済みます。

私が使っている指示書も、大半は毎回同じで、変わるのは元の資料と「今回はこれを足したい」の2か所だけです。

ひとつだけ、譲らなかったこと

ここまで自動化の話をしてきましたが、最後まで人間が埋める欄を1つ残しました。

「今回、足したい実体験」という欄です。

以前、ある商品の紹介記事を英語にしたとき、元の記事にはスペックしか書いていませんでした。それを訳しただけでは、どこにでもある紹介文にしかなりません。

そのとき私が足したのは、「箱型のケースはカバンが必要になる=荷物が倍になる」という一言でした。実際に使って初めて分かることです。

これは元の記事のどこにも書いていませんでした。私の頭の中にしかなかった。

全部を自動にすると、この欄が消えます。消えると、中身の薄い文章が量産されるだけになる。

だから指示書には、わざと人間しか埋められない欄を残してあります。

今日から使える3つの言葉

  1. 「私がいつも頼んでいることを、指示書の形にまとめて」

    2回目の説明を書いたら、その時点で頼む
  2. 「毎回書き換える部分だけ空欄にして」

    どこを直せばいいか一目で分かる形にしてもらう
  3. 「出してほしいものも指示書に書いておいて」

    これが抜けていると、追加のやりとりが必ず発生する

AIに何かを頼むとき、私たちはつい「作業」だけを頼みます。

でも「頼み方そのもの」を作らせるほうが、あとがずっと楽になります。1回作れば、次からは毎回それを使えるので。

毎回書いていただいていた説明、実はほとんど同じ内容でした。違っていたのは記事の中身と、「今回はこれを足したい」の部分だけです。同じ部分をこちらで持っておけば、違う部分だけ書けば済みます。

言われてみれば当たり前なのですが、3回目を書くまで気づきませんでした。

第49回で「理解できなくていい」と書きましたが、これも同じです。仕組みは分からなくていい。「毎回同じことを書いているな」と気づけるかどうかだけです。

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