パソコンでAIを使っていると、ときどきこんな画面に出会います。
「Opus 4.8」「Sonnet 5」「Haiku 4.5」「Fable 5」。
……はい、正直に言います。私は最初、これを見て固まりました。
なんとなく上から順に高性能なんだろうな、くらいは分かる。でも、どれを選べばいいのかがまるで分からない。とりあえず一番上を選んでおけばいいのか、それとも真ん中が無難なのか。
先日、そのモデルがまた新しくなりました。「Claude Opus 5が出ました」というメールが届いたんです。せっかくなので切り替えてみたところ、思っていたより面白い体験になりました。
今回は、この4種類のモデルが何なのかという話と、実際に切り替えてみてどうだったかという話を書きます。
名前の由来から入ると、意外とすんなり分かりますよ。
4つの名前は、全部「詩の形式」から来ている
先に結論から言うと、この4つの名前には共通点があります。全部、詩や物語の形式にちなんでいるんです。
これを知ってから、私はようやく腑に落ちました。順に見ていきます。

Haiku(ハイク)— 俳句
いちばん軽くて速いモデルです。
俳句は十七音で情景を切り取ります。少ない言葉で本質をつかむ。まさにその名の通りで、シンプルな作業を素早く大量にこなすのが得意です。
短い文章の分類、翻訳、要約。そういう「考え込む必要がない作業」を、とにかく速く安く処理したいときに使います。
Sonnet(ソネット)— 十四行詩
バランス型の標準モデルです。
ソネットは十四行という決まった型のなかで表現する詩の形式で、構造と自由度がちょうど釣り合っています。
実際、多くの作業はこれで足ります。文章を書く、要約する、簡単なプログラムを組む。日常的な用途ならまず困りません。
Opus(オーパス)— 大作
私がふだん使っているのがこれです。
Opusは音楽で「作品番号」を指す言葉で、長大な曲にも使われます。じっくり深く考えるのが持ち味で、込み入った問題を解いたり、長い作業を任せたりするときに力を発揮します。
ただし、その分だけ処理は重くなります。
Fable(フェイブル)— 寓話
最上位のモデルです。
2026年6月に登場した比較的新しい階層で、他のモデルでは歯が立たないような難問のために用意されています。料金もOpusのおよそ2倍。
正直に言うと、私のような使い方をしている人間が出番に出会うことは、まずありません。「ここぞという難問専用」と考えておけばいいと思います。
Haikuが俳句、Sonnetが十四行詩、Opusが大作、Fableが寓話。短いものから長いものへ、という並びになっているんですよ。
結局、どれを選べばいいのか
調べていて、いろんな人が同じことを言っているのを見つけました。
「まずSonnetで試して、詰まったらOpusに上げる」
これがいちばん現実的なようです。
というのも、上位モデルには使用量の制限があります。何でもかんでもOpusで回していると、肝心なときに使えなくなる。ある方は「とりあえずOpusを使い続けたのが、使用量が尽きた一番の原因だった」と書いていました。
これは耳が痛い話で、私もまさに「とりあえず一番上」をやっていました。
目安としてはこんな感じでしょうか。
- 短い定型作業(分類、翻訳、要約)→ Haiku
- 日常のほとんどの作業(文章、簡単なプログラム)→ Sonnet
- 込み入った問題、長い作業→ Opus
- 本当にどうにもならない難問→ Fable
Opus 5に切り替えてみた
さて、ここからが本題です。
Opus 5が出たというメールが届いたので、切り替えてみることにしました。
選択肢に出てこなくて焦る
ところが、最初につまずきました。
モデルの一覧を開いても、Opus 5がどこにも見当たらないのです。
Fable 5、Sonnet 5、Haiku 4.5、Opus 4.7、Opus 4.6……並んではいるものの、肝心のOpus 5がない。メールは届いているのに、です。
「まだ自分のアカウントには配信されていないのかな」と思いつつ、念のため画面を再読み込みしてみました。
すると、出てきました。あっさりと。
拍子抜けするような話ですが、同じところで悩む人はいると思うので書いておきます。新しいモデルが出たら、まず画面を再読み込み。これだけで解決することがあります。
切り替えても、会話は途切れない
もうひとつ、気になっていたことがあります。
「途中で切り替えたら、それまでの会話は消えてしまうんじゃないか」
結論から言うと、消えませんでした。それまでのやり取りをそのまま引き継いで、続きから話せます。
これは安心しました。長い作業の途中でも、気軽に切り替えられるということですから。
で、何が変わったのか
ここが一番聞きたいところだと思います。
正直に書きます。劇的に変わった、という感じではありません。
文章の書き方も、話し方も、それまでと地続きです。切り替えた瞬間に別人になった、というようなことはありませんでした。
ただ、ひとつだけ「あれ?」と思ったことがあります。
止まることが減った……気がする
これまで、複数のことを同時にお願いすると、途中で処理が止まることがよくありました。
たとえば「この記録をつけて、あの記事の構成も考えて、ついでにこれも調べて」というように、いくつかの作業をまとめて投げたときです。作業の途中で動きが止まったり、やりかけたものが完成していなかったり。
それが、切り替えてから減った気がするのです。
Anthropicの説明を読むと、たしかに「エラーから回復して、行き詰まりを迂回しながら止まらずに進む」という点が強化されたと書かれています。私が感じたことと、方向は合っています。
ただし、断定はできない
とはいえ、正直に書いておかなければならないことがあります。
切り替えたあとにも、一度だけ同じことが起きました。
複数の作業を頼んだとき、そのうちのひとつが途中で崩れたのです。完全になくなったわけではない。
それに、そもそも「止まる」原因はモデルだけとは限りません。会話が長くなれば処理は重くなりますし、回線の状況にも左右されます。切り替えの前後で、たまたま条件が違っただけかもしれない。
ですので、今の時点で言えるのはこの程度です。
「減った気がする。でも、なくなったとは言い切れない」
歯切れが悪くて申し訳ないのですが、これが正直なところです。もう少し使い込んで、はっきりしたことが分かったら、また書きます。
ここは断定しないほうがいいと思います。読んだ人が同じ期待をして、裏切られたら申し訳ないですから。
やってみて分かったこと
今回いちばんの収穫は、実は性能の話ではありませんでした。
名前の由来を知ると、性格が分かる。
これに尽きます。
Haikuは俳句のように短く速く。Sonnetは型のなかでバランスよく。Opusは大作のようにじっくりと。Fableは寓話のように、ここぞというときに。
数字やベンチマークを見比べるより、この由来を覚えておくほうが、選ぶときに迷わなくなりました。
もうひとつ。新しいものが出たからといって、慌てて飛びつく必要はないということも分かりました。
今回は料金が据え置きだったので切り替えましたが、それでも体感の変化はわずかです。今使っているもので不便がないなら、そのままでも十分だと思います。

おわりに
AIのモデルは、驚くほど早く入れ替わります。
調べているときに気づいたのですが、ほんの数日前に書かれた記事ですら、すでに古い情報になっていました。「現在の最上位はこれです」と書かれたその横で、もう新しいものが出ている。
これはちょっと怖い話でもあります。せっかく覚えても、すぐに変わってしまうのですから。
でも、だからこそ、細かい数字を追いかけるより考え方だけ押さえておくのが賢いのかもしれません。
短いものは速く安く。長いものはじっくり深く。名前が変わっても、この関係は当分変わらないはずです。
私はこれからも、迷ったら名前の由来を思い出すことにします。

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