ある日、Google AdSenseから、こんなメールが届きました。
「税務フォームに追加情報が必要です」
正直、またかと思いました。税金まわりの通知は、読んでも意味がわからないことが多いのです。放っておいてもいいかな、と一瞬考えました。
でも、なんとなく気になって、クロ(私が使っているAI・Claudeのこと)に画面のスクリーンショットを見せてみたんです。
そこから、思いもよらない発見がありました。
「現在の源泉徴収率:30%」
メールの「お支払いセンターに移動する」を押して、税務情報の画面を開きました。そこに、こう書いてありました。
現在の源泉徴収率: 30% フォームが承認されるまでこの税率が適用されます
アメリカ分の収益から、3割が引かれている状態だということです。
これ、日米租税条約が適用されていれば、もっと低くなるはずなの。フォームが承認されていないせいで、いちばん高い税率が当たってる。
金額そのものは、まだ大きくありません。私のブログは、事故でアクセスがごっそり落ちている最中で、収益は雀の涙です。
でも「手続きのミスで3割引かれている」というのは、気持ちのいいものではありません。しかも放っておけば、これからずっと続きます。

クロが見つけた、1文字
画面には、こう表示されていました。
お支払いプロファイルの名前:(下の名前のみ・漢字)
税務フォームの名前:(姓名のローマ字表記)
私は、何度もこの画面を見ていました。それでも、何も気づきませんでした。
クロは、こう言いました。
それと、気になることがひとつ。税務フォームに書かれている名字のローマ字、文字が1つ抜けてない? ほかの場所に表示されている綴りと、見比べてみて。
……抜けていました。
実際の名前は伏せますが、たとえるなら Yamamoto と書くべきところが Yamaoto になっているような状態です。「m」がひとつ足りない。
いつ入力したのかも覚えていない、2024年に提出したフォームでした。そこに打ち間違いがあって、それがずっと残っていたのです。
Googleは「名前が一致しません」と言い続けていました。私はその意味を、まったく理解していませんでした。一致するはずがなかったのです。どれだけ書類を出しても、綴りが違うのだから。
20画面を、1枚ずつ確認しながら
原因がわかったので、W-8BENという税務フォームを提出し直すことにしました。
この作業、始める前に警告が出ます。「15〜20分かかります」「1時間経過すると入力済みの情報は保存されません」。つまり、途中保存ができないのです。
正直、ひとりだったら途中で投げ出していたと思います。英語の条約の話が出てきますし、聞かれることの意味がわからない画面もあります。
そこで、画面が変わるたびにスクリーンショットを撮って、クロに送りました。
「この項目は何ですか」
「どっちを選べばいいですか」
そのたびに、クロが答えてくれました。
「はい、源泉徴収率の引き下げを受ける資格があります」を選ぶ。日本と米国は租税条約を結んでいて、日本在住の個人はこれを適用できるの。「いいえ」にすると、30%が確定しちゃうよ。
結局、20画面近くを、ひとつずつ確認しながら進みました。
途中、こんなこともありました。名前の入力欄がグレーになっていて、クリックできない。私は「入力できません」と伝えました。
ごめん、それ正常な動作だった。「はい(本人)」を選んだ時点で、署名は自動で確定してるの。グレーなのは入力欄じゃなくて、確定した内容の表示。私が「打ち込んで」と言ったのが間違いだった。
AIも間違えます。でも、間違えたときにすぐ訂正してくれるので、こちらは止まらずに済みました。
ひとつだけ、線が引かれた場面
途中で、租税条約の条項と税率を選ぶ画面が出てきました。
ここでクロは、はっきりこう言いました。
どれにチェックを入れるかは事実確認だから答えられるけど、条項番号と税率をどう選ぶかは、私が「これで確実」と断言できる領域じゃないの。Googleも画面に書いてるでしょう、「税金に関するアドバイスは提供できません。税理士にご相談ください」って。私も同じ立場だから、そこは正直に線を引いておきたい。
結果的に、その画面の選択肢は「0%(軽減税率)」と「30%(租税条約の適用なし)」の2つだけで、迷う余地はありませんでした。
でも、この線の引き方は、ありがたいと思いました。何でも答えてくれるより、「ここから先は専門家に」と言ってくれるほうが、結果的に信用できます。
払い戻しの可能性まで見つかった
最後のほうに、「状況の変更がないことを示す宣誓供述書」というチェック項目がありました。読み飛ばしそうになったところです。
その下に、小さくこう書いてありました。
以前の支払いに適用された税率よりも源泉徴収率が低くなる場合に限り、払い戻しが適用されます。払い戻しは、現在の暦年の源泉徴収のみに限定されます。
これ、今年30%で引かれた分が、0%との差額として戻ってくる可能性があるということ。前に私が「戻るかは分からない」と言ったけど、この画面に道が用意されてた。
チェックを入れて、送信しました。
提出後、画面は「確認中」に変わりました。あわせて、氏名を証明する書類として運転免許証の写真も求められたので、表と裏を1枚の画像にまとめてアップロードしました。
結果はメールで届くそうです。今は待っている状態です。
気づけなかった理由
この件でいちばん考えさせられたのは、なぜ自分では気づけなかったのかということでした。
Yamaoto と Yamamoto。こうして並べて書けば、誰でもわかります。
でも実際の画面では、その2つは別々の場所に表示されています。しかも自分の名前です。人は、自分の名前を「読まない」のだと思います。形で認識して、通り過ぎてしまう。
クロは私の名前に思い入れがありません。だから、ただの文字列として比べることができた。
私が優れていたわけじゃないと思う。画面をそのまま見せてくれたからだよ。「税務の設定でつまずいてる」という説明だけだったら、たぶん気づけなかった。
これは、けっこう大事なことだと思いました。AIに相談するとき、私たちはつい「要約して」伝えようとします。でも要約した時点で、自分が重要だと思ったものしか残りません。
自分が気づいていないことは、要約からは消えます。
画面をまるごと見せる。全部渡す。それだけで、見つかるものがあるようです。
もし同じ通知が来ている人がいたら
AdSenseやYouTubeで収益を得ている方で、「税務フォームに追加情報が必要です」というメールを放置している方がいたら、一度、お支払いセンターの税務情報を開いてみてください。
現在の源泉徴収率という表示があります。そこが30%になっていたら、何かが止まっています。
そして、税務フォームに記載されている名前を、一文字ずつ確認してみてください。私のように、何年も前の打ち間違いが残っているかもしれません。
AdSenseの税務まわりでは、以前にも住所の登録でつまずいたことがあります。そのときの話はこちらに書きました。
ちなみに、この件はこれで終わりではありませんでした。もうひとつ、「税務情報を確認するために追加書類が必要です」という警告が残っていて、そちらは免許証では解決できなかったのです。
その話は、次回に書きます。


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