【第3回】「釣り動画編集ツール」をAIと作る

AI活用

道具がそろいました(前回のAqua Voiceの話です)。いよいよ、AIを使って実際に何かを作ってみよう——という回です。

僕が一番最初に挑戦したのは、溜まりに溜まった釣り動画を、半自動で編集するツールづくりでした。プログラミングなんてやったことがない、ただの事務員が、AIと一緒に”ソフト”を作る。無謀に聞こえるかもしれませんが、やってみたら、いろんな発見がありました。成功も、つまずきも、正直に書きます。

なぜ動画編集ツールだったのか

僕は釣りが好きで、YouTubeに釣り動画を上げています。でも、この編集がとにかく大変なんです。長い元動画から、釣れた瞬間の盛り上がりを探して、いらない部分を切って、つなげて、字幕を入れて……。1本の動画を仕上げるのに、何時間もかかる。撮影より編集のほうがしんどい、というのは、動画をやっている人なら共感してくれるはずです。

そこで思いました。「この面倒な作業の一部を、AIに手伝ってもらえないか?」と。

具体的にやりたかったのは、こういうことです。長い動画の中から、音が大きく盛り上がっている場面(=魚が釣れた瞬間の候補)を、機械が自動で見つけてくれる。釣れた瞬間って、たいてい声が大きくなるので、音量を手がかりにすれば探せるはずだ、と考えたわけです。候補さえ出してくれれば、あとは自分が選ぶだけ。宝探しの”あたりをつける”部分を、AIにやってもらうイメージです。

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「Claude Code」という、AIにものづくりをさせる道具

ここで登場するのが、Claude Code(クロードコード) という道具です。これは、AIに実際のプログラム(ソフトの中身)を書いてもらうための仕組みだと思ってください。僕がやりたいことを言葉で伝えると、AIがそれを動くプログラムにしてくれる。

すごい時代です。僕は、作りたいものを日本語で説明した「指示書」を用意して、それをAIに渡しました。「長い動画から、音量が大きい場面をトップ5、自動で見つけて一覧にしてほしい。最終的にどれを使うかは自分が選ぶ」——そんな内容です。

いきなり、つまずいた

さて、ここからが正直な話です。一発ではうまくいきませんでした。

最初にできあがったツールを動かしてみたら、肝心の「盛り上がり場面を自動で見つける」機能が、まだ入っていなかったんです。手動でカットしたり字幕を入れたりする部分まではできていたのに、一番やりたかった自動抽出が抜けていた。

でも、ここでAIの面白いところが分かりました。AI(Claude Code)が、自分から正直に「その機能はまだ入っていません」と教えてくれたんです。ごまかさずに、「今できるのはここまで。あの機能を足すには、こういう追加が必要です」と。

これは、僕にとって大きな安心材料でした。AIとのものづくりは、一回で完成させるものじゃない。「まず動かしてみる → 足りないところが分かる → 足してもらう」を繰り返して、少しずつ育てていくものなんだ、と腹落ちしました。人間の仕事だって、最初から完璧じゃないですよね。それと同じでした。

そこから、「音量が大きい順にトップ5を出す方式で、機能を追加して」と伝え直して、少しずつ形にしていきました。最終的には、盛り上がり場面を(その少し手前から数秒間)切り出す、という部分まで動くようになりました。

やってみて分かった、大事なこと

このツールづくりで、僕は一つ、大きな学びを得ました。それは——AIにも、得意・不得意があるということです。

音量から盛り上がりを探す、という”理屈で決まる作業”は、AIは得意でした。でも、動画編集には、それだけじゃない部分があるんです。「どの場面と、どの場面を、どうつなぐと気持ちいいか」。この感覚的な部分は、釣り動画をずっと作ってきた僕自身の”勘”のほうが、まだうまくできる。ここは無理に全部AIに任せず、自分がやったほうがいい、と気づきました。

だから最終的に、このツールは「全部を自動でやる」ものではなく、「面倒な下ごしらえ(盛り上がり探し)はAIに任せて、味の決まる仕上げは自分がやる」という役割分担に落ち着きました。これ、料理に似ていますね。野菜を切ったり下ゆでしたりはお願いして、最後の味付けは自分でやる。

これからAIを始めるあなたへ

もし、あなたが「AIで何か作ってみたいけど、プログラミングなんてできないし……」と思っているなら。伝えたいことがあります。

作れます。少なくとも、挑戦はできます。

僕はコードが1行も書けません。それでも、やりたいことを言葉で説明できれば、AIが形にしてくれる。しかも、一発で完璧じゃなくていい。「まず動かして、足りないところを直していく」——この進め方を知っているだけで、ものづくりのハードルは、ぐっと下がります。

そして、もう一つ。AIに任せる部分と、自分がやる部分を見極める。これが、AIと上手に付き合うコツだと、この一件で学びました。全部やってもらおうとすると、かえってうまくいかない。得意なところを手伝ってもらって、自分の強みは自分で活かす。それが、一番いい結果につながります。

次回は、半年間放置していた僕のブログが、ある日突然”真っ白”になった話をします。AIと一緒に、それをどう復活させたか。これも、つまずきと解決の、生々しい記録です。

それでは、また次回。

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