「昨日あんなに話したのに、忘れてる…」問題
AIを使っていて、こんな経験はないだろうか。
昨日はあんなに深く相談して、いろいろ決めたのに。今日また新しいチャットを開いて話しかけたら、AIがまるで初対面みたいな反応をする。「あれ、昨日の話は?」と、こっちが拍子抜けしてしまう。
僕はこれに、正直けっこう困っていた。僕はブログを2つやっていて、この「ゼロから始めるAI生活」も、もう26回も続けている。毎回クロ(僕がそう呼んでいるAI)に「今、連載は何回まで書いたか」「記事はどういうルールで作っているか」を説明し直すのが、地味に面倒だったのだ。ひどいときは、クロが回数を勘違いして、間違った番号で記事を書き始めてしまうこともあった。
ところが今日、この問題がかなりスッキリ解決した。カギは、クロに「これ、ずっと覚えておいて」と頼むことだった。今日はその話を書きたい。

まず、AIの「記憶」には3種類ある
クロに聞いてみて、初めて知ったのだが、AI(Claude)の記憶には大きく3つの種類があるらしい。ここを分かっておくと、ぐっと使いやすくなる。
①勝手に覚えてくれる記憶
ひとつ目は、こちらが何もしなくても自動で引き継がれる記憶。僕のペンネームや、ブログをやっていること、進行中のプロジェクトのことなどは、チャットをまたいでも勝手に覚えていてくれる。これは飛ばない。
②「覚えといて」と頼んで登録する記憶
ふたつ目が、今日の主役。こちらから「これを覚えておいて」と明示的に頼むと、それをずっと記憶しておいてくれるという仕組み。一度頼めば、新しいチャットを開いても引き継がれる。
③過去のやりとりを検索して思い出す
みっつ目は、過去のチャットを検索して掘り起こす機能。「前に話した◯◯の続き」と言えば、クロがその会話を探して思い出してくれる。だから完全に消えるわけではなく、「探せば出てくる」状態ではあるのだ。
この3つの記憶については、以前 第10回 でも触れているので、あわせて読んでもらえると分かりやすいと思う。
「これ、ずっと覚えといて」でAIが賢くなる
で、今日やったのが、②の「覚えといて」を本格的に使うことだった。
僕はクロに、こうお願いした。「連載が第何回まで公開したか、記事のタイトル一覧、それぞれのURL、記事の作り方のルール、どんな雰囲気で書いているか——これを、これからずっと覚えておいて」と。
すると、クロはこう返してきた。
それ、できます。一度設定すれば、新しいチャットを開いても引き継がれるので、毎回説明し直さなくてよくなります。今日みたいな番号のズレも、登録してあれば防げます。
そして、僕が渡した情報を、記憶として登録してくれた。連載の全リスト、記事作成のルール、文章の雰囲気。ぜんぶだ。
これの何がすごいかというと、次に新しいチャットを開いたとき、僕がゼロから説明しなくても、クロが最初から全部わかっている状態になるということ。「連載は今どこまで?」の確認も、「ルールはこうで」の説明も、もういらない。いきなり「じゃあ第27回書こう」から始められる。
覚えさせておくと便利なこと
今日やってみて、「これは覚えさせておくと後がラクだ」と感じたものを挙げておく。
ひとつは、進捗の数字。連載が何回まで来たか、みたいな「増えていく数字」は、覚えさせておくと勘違いが防げる。ふたつ目は、自分ルール。「本文はこの形式で」「この言葉は使わない」みたいな、毎回同じことを指示している決まりごと。みっつ目は、ファイルの置き場所。「あの試作ファイルはデスクトップのこのフォルダ」みたいな情報も、覚えさせておくと「あれどこだっけ」が減る。
要するに、「毎回同じ説明をしているな」と感じたら、それは覚えさせるべきサインだ。一度預けてしまえば、次からはその手間がまるごと消える。

AIを「育てていく」感覚
この「覚えといて」を使うようになって、クロとの関係が少し変わった気がする。
今までは、毎回イチから事情を説明する相手だった。それが今は、こちらのことを分かった上で話せる相手になってきた。付き合いが長くなるほど、説明がいらなくなっていく。まるで、優秀なアシスタントを少しずつ育てているような感覚だ。
AIは「毎回リセットされる便利な道具」だと思っていたけれど、頼み方ひとつで「自分のことを覚えている相棒」に変わる。もし同じように「昨日の話を忘れられて困る」という人がいたら、ぜひ試してみてほしい。
やり方は簡単。ただ一言、「これ、ずっと覚えておいてね」と頼むだけだ。
――続く。


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